ペットフードにも有機JAS認定を!

 

既に多くの皆様がご存知のことと思いますが、日本においての有機認定は農水省の「有機JAS」として管理されており、その対象は人間が食べる「食品」あるいは、有機食肉となる家畜が食べる「有機飼料」に限定されていて、私達の愛玩動物の食べ物、つまりペットフードはその認定対象外となっています。

 

(認定オーガニックについては以前、「オーガニック vs 認定オーガニック」で詳しく書いておりましたのでそちらもご参照ください。 )

さて、アーガイルディッシュではオーストラリアの農家に自ら出向き、有機原料の供給をお願いしています。そしてそれらの有機原料をペットフードに加工し、最終的に袋詰めした完成品も再度オーガニックとして認定を取得し日本の皆様にお届けしています。

しかし、生産農家の皆さんの前で、せっかく何年もかけて苦労して作物を育てて下さったにもかかわらず「日本では有機認定されないのです」と言わなければならない「辛さ」といったら、泣きたいものがあります。「有機認定されないなら供給しない」と言われたこともありました。でも、想いを伝え続け、最近になってようやく、「人間も犬猫も一緒だから、別に日本で認定をもらえなくても、消費者が喜んでくれればそれでいい」と心良く原料を分けてくださる農家さんもおられます。

 

ACOと有機JASは日豪両国が相互認定していますが、食品ではないということで、日本側(農水省)がオーストラリア側の認定を一方的に無視している状況ですが、思うに政府として環境にもやさしいオーガニック農法を今後推進してゆくことが世界の流れとして本流なのに、その「使用目的」で認定がされないのは、「そりゃ、現代の日本において誰からみてもおかしいんじゃない?」ということになってきます。

 

こんな感じでいつもペットは後回しにされるのでしょうか?

 

悩み考えた挙句、「ブツブツ言っても仕方ない、私一人だけでも行動に移さなければ!」と、霞ヶ関のとある省庁へ無理を承知で「陳情書」を片手に握り、果敢に向かったことがあります。 以下がその内容:

件 名  ペットフードに対してオーガニック認定制度

 

1 陳情の要旨

オーガニック認定基準の国際的な相互認定が行われている中、ペットフードがその基準を満たしておきながらも、使用目的が食品以外であるという理由で日本(JAS有機)ではオーガニック認定をいただけない問題について。

              

 

2 陳情の理由

  安心、安全、そして地球環境によいということで、世界各国で有機認定制度が始まり、日本においても2000年から、オーストラリアは1995年から認定制度が始まっています。現在は各国の認定制度の足並みを揃え、外国で認定された場合、日本でもJAS有機認定を相互に受けられる仕組みができました。 その中で、基準を満たした生産物の使用目的がペットフードであった場合は、日本では食品ではなく、愛玩動物用の飼料に相当するために相互認定を受けることができません。(オーストラリアではペット用でも認定を行っています。 参考:Australian Certified Organic 生産者が長い期間をかけ土地を改良し、農薬を使わずに安全で土壌(環境)にもやさしい作物をようやく収穫したものを、使用目的がペットフードになったために認定が受けられない、というのは彼らに申し訳ないことだと思います。 2006年より愛玩動物に関する法律も制定され、ペットが家族の一員であるという認識も高まる中、有機JASの対象を食品以外にも拡大する、あるいはペット用有機JASの認定制度などの新規の制定を希望いたします。

 

その後については……

 

全く、何の音沙汰もなく、、、

多くの陳情をうけている官庁ですから、「私一人の声」、なんてすっかり置き去りになっていると思います。定期的に陳情を出して続けることが大切なこともわかっていますが、どうしたらよいものやらって感じです。 (販売にご協力いただいているお店様や直接お客様に相談して署名をいただくことも検討してみようかな) でもあきらめてはいません。。。

 

いっそのこと食品として輸入してみるか?

下の証書はアーガイルディッシュをオーストラリアから国外に輸出する際に、オーストラリア政府から毎回発行される「公的」な証明書です。簡単に言いますと「この商品は私どもオーストラリア国で認めた認定オーガニックです。なのでそちらの国に行っても同等の扱いをヨロシクね」というような内容で、江戸時代で言う関所を通る際の「手形」みたいなもんです。

クリックで拡大します。
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で、この証明書(手形)なんですが、実は日本では「なぁ~んの役にもたっていない!。(-_-;)  というのが実情。

 

本来ならば日本に到着してからこの証明書をもって申請すると日本の有機JASマークが付けられるんですがね。。でもペットフードとして輸入しているからそれができない!

巷には「オーガニック風?」、「自称オーガニック」の商品を含め、いろんなオーガニックペットフードが出ていますが、きちんと認可をとって手続きした商品ですら、それが評価されないシステムのため、結果、お客様の「安心」の目安のひとつとして認定オーガニックというものを正当に評価していただけない現状は大変残念なことだと思います。

 

いっそ、次回からアーガイルディッシュは「食品」だと言って輸入し有機JAS認定をもらってみようかな? でも袋にペットフードと印刷しているし、、それはやっぱり無理ですよね。。(泣)

 

アーガイルディッシュのコンセプトのひとつに「次の世代に伝えてゆくフード」がありますが、フードの中身だけにとどまらず、ペット全体のことを考えたとき、次の世代のために取り組んでいかなければならない課題と考えています。 

追記:

今回は皆様からのコメントも受け付けています。