フードの生産でオーストラリア滞在が続いておりますが、長くなるとどうしても食事が単調になってきます。もともと料理が得意な方でもなく、すぐ簡単に作れる食事ばかりになってしまいますが、やはりオーストラリアにおりますとお国柄、ステーキが中心となってきます。
月曜:サーロイン、火曜:Tボーン、水曜:ラムチョップ、木曜:スコッチフィレ…… なんだこりゃ、結局は肉の部位や種類が違うだけで毎日が「肉」という、ペットの健康を考える者としては失格ですね。(笑)
蛇足ですが、オーストラリアでは一般的に人間が食べ残したお肉をペットにあげることが多く、上の写真のラムの骨はワンちゃんの大切なご飯になります。一度湯通ししてペットフードと一緒に与えたりします。 また、外食した際も「ドギーバッグ」と言って、食べ残りを「タッパ」などに入れて犬のご飯として持ち帰ることも普通です。ただ、実際は家に持ち帰って人間が食べる際でもドギーバッグで持ち帰ると言います。
しかしさすがに毎日「肉」ばかり食べても、若い頃のような新陳代謝があるわけでなく、タンパク以外もとれ !と体が訴えてくるのがわかります(笑)今日はサラダ中心のメニューにしようかな?(笑)
そういえば日本では「タニタ食堂」とか、「ヨーガンレールの社員食堂」など、社員向けでありながら一般の方でも一度は食べてみたいヘルシーな食堂があります。どちらも栄養バランスを考えたメニューで、実はペットフード作りにも大変参考になるため、取り組み方などについて勉強もしておりました。
特にヨーガンレール(ババグーリ)ブランドのコンセプトは「土に還らない素材は使用しない」という揺るがない自然素材へのこだわりがあり、ただ自然素材を使うだけでなく、素材を活かしてそれ以上の「着心地」や「ぬくもり」を40年以上も前から創り出しています。
実は10年前、同じような真似はできないにしても、ペットフード作りでも似たようなコンセプトがあっても良いのでは?と考えておりました。当時は私も30歳代でしたので、「肉」食べても代謝がよかったからなのか(笑)、毎日がむしゃらに考えては即行動に移しておりました。
フード作りは当然試行錯誤が続きましたが、ただ自然素材を使用するだけでなく、ひとつひとつの素材の生まれや育ち、収穫して加工されるプロセスを見守ってゆくことを続けることで、「何が犬猫にも人間にも環境にも」良いものなのかが「ぼんやり」わかってくるようになりました。(作業的には大変ですが、結構おもしろいんですよ、普段日本人が行かないような所にも行けますしね。そうしているうち、このような野菜はこういう気温差の場所で育つ、とか、この農家さんは「ちょっと野菜の育て方が雑だな…」とか、いろいろ自然にわかってくるのですよ)
アーガイルディッシュはまだまだ発展途上ですが、このようにしてようやく10年後に生まれたのでした。いろいろこだわった結果のひとつとして「オーガニック認定」もいただきましたし、「認定」を目指していたわけでなかったので、今となってはこれまで続けてきたこだわり方が「第3者」に評価していただく機会ができたことはこれまでの10年の取組みは間違っていなかったと感じております。
「美味しさを、安全をこれからの世代に伝えるため」