オーストラリアについては、BSEが世界各地で発生した際に唯一発生しなかった国として、日本の消費者をはじめ、世界各国から一定以上の「安全性が高い国」と評価をいただいているのは確かです。
アーガイルディッシュでは、「なぜ安全性が高いのか」を自ら調査した上でオーストラリアの取り組みなどを評価しています。それらの取組みについては「あのカンガルーをどうしてお肉にしてしまうの」の特集でもお伝えしたとおりです。今後も正しく安全性を皆様に理解していただき、商品をお届けすることが私どもの役目であると考えています。
そのような中、お客様においては「勘違い」をされておられる方が多いのが「鳥インフルエンザ」についてです。
「オーストラリアではBSEも鳥インフルエンザは発生していない」
というのは誤解であり、間違いです。オーストラリアでは過去に鳥の感染病は何度か発生しており、全く発生しないということではありません。発生内容については後述いたしますが、なぜ誤解が発生したのか?を考えると、すでに「オーストラリア=安全・安心」という公式ができあがった上で、BSEもないから鳥インフルエンザもない。という連鎖的なプラス思考の印象を持たれたのかもしれません。
ときどき、お客様から
「どうしてオーストラリア産なんですか? オーストラリアだからBSEも鳥インフルもないから安心ということね…」とお話をいただくことがあります。
アーガイルディッシュでは「いいえ、鳥インフルエンザは発生しています。ただ、被害が拡大する前にすぐに対策をとるために、諸外国への影響を最小限に抑えているだけなのです。基本的に鳥は国を越えて飛んでゆきますから、全く起こりえないということはありません。」とお伝えしております。
オーストラリアで発生した鳥インフルエンザ(一部)
1976年1月 Keysborough,(ビクトリア州)H7N7型
1985年5月 Bendigo(ビクトリア州) H7N7型
1992年8月 Bendigo(ビクトリア州) H7N3型
1994年12月 Lowood(クィーンズランド州)H7N3型
1997年11月 Tamworth(NSW州) H7N4型
また、BSEとは直接結び付けられませんが、2004年に人と動物の共通感染症(Q熱とヘンドラウイルス)が馬や羊を通して発生した事実もありますし、野鳥のインフルエンザ感染もまったくゼロとはいえません。(一部の調査では1%が感染していたとの報告もあります) つまり世界中でいつ発生してもおかしくない状況であり、問題は発生した後にどのようにすばやい対策をとるか、が問われているわけです。
このような中、オーストラリアの食肉が安全と言われるのは、その徹底した対策を施すことで「世界の信頼」を勝ち取っていると言わざるを得ません。オーストラリアの養鶏場を訪れてみると、周囲から完全に隔離され、外部の鳥どころか、人間も広い敷地のゲート内すらすぐに入れず、2重、3重のゲートを通り、過去3ヶ月と、今後3ヶ月の行動予定までインタビューされます。私は10日後に日本に戻ると伝えた所、「外国に戻る場合」は入所はできません。と結局は入れませんでした。
現地の検疫局(AQIS)がしっかり防御システムを確立しているからこそ、これだけの被害を抑えてきたのだといえるでしょう。
このような対策が常に施されていることが、アーガイルディッシュがオーストラリアを信頼し、皆様にきちんと「安心・安全」をお伝えできる理由であると信じております。